人工膝関節・肩関節鏡手術(専門医による最先端手術)

当院における変形性膝関節症の治療

① 運動療法(リハビリテーション)

皆様が既によくご存じのように、関節軟骨性別・年齢・過去の外傷歴・家系(遺伝的要素)等により 歳を重ねるたびに減少し、再生が難しい臓器と言われています。

当院では、注射・内服・外用による対症療法より何より、運動療法(リハビリテーション)を重視しております。専属・精通した理学療法士により、 膝関節を介する筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)を中心とした筋力の増強、膝をしっかりと伸展して歩くための可動域訓練(歩容の改善)、 骨盤や脊椎アライメント矯正による全身姿勢の改善などを中心に、軟骨が再生しない分、残された機能を最大限に利用・強化・矯正することで、 変形性関節症の除痛に努めます。

リハビリ室

リハビリの様子

② 関節注射

ヒアルロン酸ナトリウムを中心とした関節注射初期は1~2週に1回、計5回行うことが可能です。 効果はあるが持続しない場合は、その後も2~4週に1回継続が可能です。ただし効果が全く持続しない場合、 変形が著明であり転倒のリスクが高まりADL(Activity of Daily-Life / 日常生活動作)低下に繋がる場合などは他の治療も併せてご提案致します。

膝注射

③ 薬物療法(消炎鎮痛剤、変形性関節症や慢性疼痛に特化した内服、外用)

以前から使用されている消炎鎮痛剤に加え、変形性関節症や慢性疼痛に特化した鎮痛剤(様々なタイプのOpioidやSNRI)の処方、 変形性関節症に特化した外用剤などの処方が可能です。基本は痛みを和らげる対症療法になりますが、 最近の薬剤は痛みに対して過敏に反応するようになった神経の興奮を抑え、根本的に痛みに対する閾値を上げる薬剤(SNRIなど)の提案も可能です。

④ 手術的治療(UKA, TKA)

上記治療が奏効しない場合、また変形が著明で転倒のリスクが高まり、膝が悪く転倒→大腿骨や腰椎の骨折の原因になる可能性がある場合、 更には将来起こりうるかもしれない骨折後に「膝が悪いがために骨折治療後のリハビリが十分にできず寝たきりになる」可能性がある場合は、手術的加療をおすすめしています。

70~80歳代が適応年齢です。最近では90歳代の大腿骨や腰椎の骨折の患者さんが急増しており、 その際、骨折の治療が成功しても、膝の変形がネックとなりリハビリが進まず、しかし超御高齢のため膝の人工関節もできない、といった患者さんがかなり増えております。 変形が強い場合は我慢しすぎて後悔しないよう適応年齢期間での人工関節手術をおすすめしています。

TKA

全下肢で内反膝が治る写真

当院での膝人工関節手術

手術室と麻酔

当院では2018年に完成した最新鋭のクラス1,000バイオクリーンルームでの人工関節手術が可能です。 また、大学病院クラスの人工関節専門医を招聘しての手術も可能となっております。 簡易ナビゲーションを用いたコンピューター手術も行っております。

麻酔は全身麻酔で寝ている間に手術が終わります。全身麻酔だけでは目が覚めると手術部の痛みを感じるため、 可能な患者さんには持続硬膜外麻酔(腰から脊髄に細いチューブを送りそこから痛み止めを術後2日間送り続ける) および術直後の除痛注射(オピオイドカクテル局所麻酔)、さらには点滴などで術後の徹底的な除痛を目指します。

手術には傷んだ関節の内側だけを取り替えるUKA(単顆置換型人工関節)と内も外も取り替えるTKA(全人工膝関節)があります。 当院では内側だけの変形で、御自身の靱帯がしっかり残っている患者さんには、より侵襲の少ないUKAをおすすめしております。

TKA簡易ナビゲーション

UKA

適応:御自身の靱帯がしっかり残っている(MRIでチェック)おり、 内側だけの変形の患者さんで、O脚変形が著明でない、もしくはそれが容易に矯正できる患者さんはこの手術が可能です。

利点:手術創がTKAよりは小さく、骨を削る量も少ないため、術後疼痛がTKAよりも少ない。 自身の組織を温存し、自身の靱帯で膝を動かすため、より生理的で伸び曲がりもTKAより良く、術後回復・退院が早い。

弱点:片側だけの置換のため、関節のバランスを大きく変えることができない(O脚が強い患者さんには適さない)。 バランスが崩れると人工関節の緩みがTKAより早めに生じることがまれにある。その際はTKAを将来的に行う。

UKA

UKAの画像レントゲン

TKA

適応:膝の痛みが強く保存的加療に抵抗性で、画像的にも膝に変形を認める患者さん。 O脚やX脚が強く将来転倒のリスクがある患者さん。70~80歳代が理想。

利点:激しい変形がある場合にも脚をまっすぐに治すことが可能で、全置換のため自身の靱帯などが傷んでいても手術により安定した成績が得られる。 簡易ナビゲーション等を用いることで、より正確な手術が可能。

弱点:傷がやや大きい。UKAよりは骨を削る量が多く内部の侵襲が大きいため、リハビリに時間を要する。機械的に屈曲の限度は120度程度である。

TKAの術前・術後レントゲン

術後リハビリテーション

術翌日より専任の理学療法士がつきリハビリを開始します。翌日は車イス移乗訓練、立位訓練、2~3日で歩行訓練も開始となります。 1週前後で歩行器歩行が可能となり、その後は杖歩行や独歩を目指します。UKAでは以前の歩行レベルまで回復される3週前後で退院を目指します。 TKAでは約1ヶ月での退院を目指します。

当院は地域包括病床も有するため、その後もじっくりと入院リハビリをされたい患者さんは、プラス2ヶ月入院リハビリが可能となっております。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟廊下

当院における肩関節鏡下手術

新病院移転に伴い、当院・芦屋市内でも肩関節鏡下手術が可能となりました!大学病院クラスの肩関節専門医を招聘致しますので、当院バイオクリーンルームでの高レベルな肩最小侵襲・関節鏡手術が可能です。

痛みや可動域制限を伴う肩腱板断裂や拘縮肩でお悩みの患者さまは、わざわざ神戸や尼崎に出向かれることなく治療が可能です。ぜひ当院へ一度ご相談ください。 専門医の診察、保存的治療、手術的治療、リハビリ等のご提案をさせていただきます。

手術室全景

膝軟骨

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